香川に行きたい。
高松空港から帰ってきて10日も経っていないのは分かっています。
しかし今週の私は、その禁断症状に怯えながら過ごしています。これは酒でもカフェインでもなく、うどんでしか消えない震え。
思わず仕事中に「讃岐うどん」と書かれた店に入って、スキー場の自販機よりひどいものを食わされて、いよいよジェットスター・ジャパン411便の安日を予約し、支払わないまま自動解約のメールが届き、1日が過ぎていくのです。
マッスル鍋は2023年の初鍋に香川の地を選びました。奈良以外でやる初鍋は初めてでしょうか。鍋を伴う移動自体も2020年の五條栄湯場所以来、実に約3年ぶりのことでした。まずは鍋合宿を復活できたことに対して、素直に喜びたいと思います。
同時開催の「うどんモンスター2023」、この日は高松の松下さんから始めました。坂出のとらやさんはお初。ぶっとくて冷やだと食べごたえ抜群の麺でした。でも、カレーうどんが有名と聞いたのは後になってから。
午後は根ッ子、香の香、宮川製麺所。宮川さんはお作法が難しく、入店後まずは割り箸を割らないと先へ進めません。食べ始めても、おかーちゃんのマシンガントークにうまくついていけないと敗北感があります。喫茶店巡りがお好きな人は、京都の前田珈琲本店や宇都宮のBCにいるお姉様を思い出しながら攻略するといいでしょう。うどんはいりこの風味が強烈でとても美味しかったのですが、それどころじゃありませんでした。楽しかった。
今回、泊まりがけでお鍋をやってよかったのは、丼ぶりを出していない製麺所にも立ち寄れたことでした。鍋の会場に近い、三豊の福井製麺所さんで煮込みを持ち帰ります。接客設備のない工場に直接顔を出して買い付けるこの感じ、ちょっとドキドキします。
いりこベースで、ちょっとだし醤油を加えて、うどんをもりもりいれる。香川の人が普段どんなお鍋をしているか分かりませんが、金陵なんかも開けちゃって、讃岐っぽい鍋、堪能させてもらいました。
2日目は須崎食料品店さんのオープニングに行けました。こんなことができるのも、三豊で1泊できたからこそです。愛媛県境に近い上戸さんは前に行った時よりおつゆが濃くなっておいしかったかも。
そしてここです。三嶋製麺所。昔からの小さな製麺所の中で、醤油と味の素だけで食べるうどんの何とうまいこと。ここに、うどん文化の真骨頂を見た気がしました。
大阪までの一行はその後、帰り際におなじみの山田家さんに寄って、うどん→鍋→うどんな2日間は終了しました。
うどんモンスターはストイックなうどん屋巡り企画ですが、今回はそれだけでなく、
しっかり金比羅さまに参拝し、
マッスル鍋が苦手とする人種の大群※に紛れて父母ヶ浜のサンセットに立ち合い、
そのまま大井温泉さんにも入って、ビシッとツーリスト(と風呂おたく)らしい行動もできました。
でも、地元民に紛れて小さなお店でうどんを啜る瞬間が、スーパーのいりこ売り場のデカさが、フードコートなのにほぼ全員がうどんを食っている光景が、より香川を感じさせるもので、たまらなく愛おしいのでした。
ああだめーこのままでは脳内でうどんが茹ってしまいます。もっぺん香川行きたい。
※原文には「イキりインスタボケ軍団」とありましたが、差別を助長する表現であると判断し、編集部にて改稿しました。