muscle_nabe’s blog

奈良と鍋を愛するマッスル鍋の公式ブログです。

ならの鍋材「峠とうふ店 とうふ&油揚げ」

峠とうふ店。

店名からして『頭文字D』しか思い浮かびませんが、あちらは峠を攻める豆腐屋さんなのに対して、ここは峠を攻めないとたどり着けない豆腐屋さんです。

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五條からR168を十津川方面へ。

時刻は午後4時すぎ。車が急激に標高を上げ、耳がツンとなる中、我々は少し不安を感じていました。

というのもこのお店、営業日などがあまりはっきりしておらず、豆腐が売り切れたら閉まるので、私たちはこれまでに幾度となく振られてきたのです。

すでに日が傾き始める時間。場所が場所なだけにクローズだった時のショックは大きいものですが、答えは行ってみないと分かりません。

いよいよ国道の最難所、天辻峠に差し掛かろうという瞬間、道の端に手書きの看板を見つけました。

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「峠とうふ店 OK」と読めました。

OKってなに!?

やってますよということなのか。

お店はまだ少し先なので、予告看板のようです。ここでもし「NG」と言われてもすぐ諦めて転回できるような場所ではありません。

OKを信じて登り続けました。

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おー、開いている。開いている!

豆腐を買うだけで、これほどの達成感はなかなか得られません。

帰り道は走り屋に煽られないように、でものしかかるGで豆腐を潰さぬように、懸命の山下り。もう必死です。

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これが、無事に持ち帰った峠の豆腐。

およそ750グラムという立派な大きさです。キンと冷えた、きれいな山の水に閉じ込められています。

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密度しっかり、噛めば豆の味がうわーっと広がります。やわらかめの木綿豆腐とあって、多少は煮崩れにも強いです。お店の大将はあまり鍋には使ってほしくなさそう(冷奴を勧められた)でしたが、いや、鍋もおいしいです(※冷奴でもいただきました)。

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もちろん油揚げも炊きます。ぶ厚いけど製法としては薄揚げです。デカくて味が濃くて、これこそ鍋にはもったいないかも。でも、出汁をしっかり吸って食べごたえがアップします。うまい!ジューシー!

しかも、油揚げの香ばしさが出汁に溶け込むので、炊けば炊くほどお鍋全体の味わいが深いものになりました。

通販はないので、この豆腐を手に入れるにはコーナーを攻めるしかありません。行ってもお店が開いていないことだってあるでしょう。その美味しさは、苦労して買いにきたからこそ実感できるものかもしれません。

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そういえばなんですけど、お店の玄関に、大将のものと思しきコンテナを積んだカブがありました。峠を攻める豆腐屋さん、実在していた…?