マッスル鍋では2017シーズンから「鍋合宿」などといって、毎年のように奈良市を飛び出して鍋をしてきました。
17シーズン当時は奈良にちゃんとした活動拠点を持たなかったので、せっかくやしどっかよそに行って鍋食おうや、と思いついたことから始まりました。
これまでに訪れたのは、北陸から九州まで7か所に及びます。
淡路島で牛肉の旨さにひっくり返ったり、
南紀では念願のクエ鍋が叶ったり。
内陸でも港町でも、土地それぞれに最高の食材があります。それらを自分たちでどこまで集められるのか……「鍋合宿」はいわば宝探しのようで、やってみるとなかなか楽しいです。
そう。鍋料理店に行くわけではありません。ゲストハウスを借りて、そこで自作するから「鍋合宿」です。
食材は道の駅に行けば楽に揃うけれど、近所の人しか来ないようなお店に突然出くわして、思いがけずいいものと出合えると、オリジナリティも高まります。
具材だけではありません。「地のもの縛り」は鍋にとって大切な調味料や、鍋軍団が大好きなお酒にもついてきます。
奈良とは違う夜空の下、自らの手で集めた食材が詰まった鍋を、地酒ととも囲む瞬間。
そこに、俗っぽい観光地では得がたい、ほんとうの旅の時間があると思っています。
鍋のあとは、近くの銭湯に行ったり、だらだらと晩酌を続けたり。
翌朝は残った出汁に地卵を溶いて雑炊にして、それから近くのカフェなんかへコーヒーでも飲みに行って。
暮らすように旅をするだなんてキーワードがもてはやされるいま、この「ナベ・ツーリズム」もまたひとつの楽しみ方だと思いますし、ゆくゆくはマッスル鍋が広めてやろうと企んでいます。なんなら、『地球の煮込み方』とかいって本でも出したい。
つぎに行く場所はどこにしようか。
たとえば、海の幸が豊富で、文化財登録済みの銭湯が2軒もある西舞鶴。ベタに蟹しゃぶでいくか、すり身メインでも美味しそう。
海鮮ならほかにも伊豆の弁天鍋とか、広島の牡蠣どて鍋なんかもいいですね。あくまでも自作なので、多少奮発しようとも、大人数ならひとり頭の費用はそれほど迫力を帯びません。
昨シーズン、鍋合宿は1度もできませんでした。そのぶんこんなふうに、コロナがやや落ち着いてからのことをずっとずっと考えてきました。計画はできているんです。いい加減出発させてくれ!