吉野郡十津川村。
面積のほとんどは森林。奈良市からでは同じ県内なのに公共交通だけだと東京に向かうよりも余計に時間がかかります。
そんな秘境にマッスル鍋一行がやってきたのは、2年前の今頃でした。
何をしにって、鍋をしに来たのです。
まず立ち寄ったのは、村のかなり手前(それでも相当な山奥)にある峠とうふ店でした。
冬季は休んでいることが多いそうなんですが、なぜこの日開いていたのかはいまだに謎。おばちゃんに鍋をすることを伝えると、豆腐よりも厚揚げやがんもを勧められ、思いの外たくさん買う羽目に。
天辻を越えた先、大塔の星のくにではこれを購入しました。
デン!
奈良市だと宗教上食えない鹿も、ここでは日常的なタンパク源なのでしょう。
車を進め、道の駅十津川郷へ。
驚いたのが、野菜やきのこ類はもちろん、ポン酢や柚子胡椒まで村内で作られていることでした。
商店が少ない印象ですが、十津川温泉にはスーパーがあり、道の駅から少し逸れたところの「和田商店」は夜7時頃まで営業していました。
「和田商店」でお酒にマロニー、だしパックと雑炊用のご飯や卵を買い込んで、すぐ脇の山道を車でうねうね登ること15分。
天空の集落・武蔵にやってきました。
ここに今夜の鍋会場「大森の郷」があります。
小学校の宿直室のような施設を改装した民泊。ここに泊まりたかったんです!
暗くなってさあお待ちかね、鍋の時間です。
大きすぎるしめじ、禁断の鹿肉などなど吉野郡の恵みがぎゅっと詰まった鍋になりました。
最初はおでんでもない鍋にがんもどき?と峠とうふのおばちゃんを疑っていましたが、これが一番最強でした。うまい!
旅先の具材を集めてその土地ならではの鍋を作ってみると、考えもしなかった具材やレシピに出会えます。その過程が楽しいし、その土地を深く知ることができる。「鍋ツーリズム」こそ、持続可能ななんちゃらに貢献できるのではないかとひそかに思うのです。