muscle_nabe’s blog

奈良と鍋を愛するマッスル鍋の公式ブログです。

鍋本を読む:料理研究家編

マッスル鍋的な鍋レシピ本ガイドです。イントロダクションはここ

初回は料理研究家の書いた本です。マッスル鍋は鍋というもののええ加減さを一番に尊重しているため、計算高くこだわり満載であろう先生方のレシピにはとてもついていけそうにありません。しかし何事も挑戦だ。行くぞ!

飛田和緒のおうち鍋(世界文化社、1430円)

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まずは飛田先生。「だしは市販品や簡易的なだしを使わず、作りおきをしています」。いきなり前書きで鮮やかな先制打。だしパックがないと話にならないマッスル鍋、初回3分の1も保たず無念の降板です。

和洋中、品目の範囲がとても広く、鍋に合う副菜レシピまで載っています。嬉しかったのは「暑い時期こそ鍋」だとして、夏においしい鍋が6品もあること。先生、神様よりさらに偉いのでは。

ねぎま鍋のまぐろは分厚めに切ること、海鮮鍋には何でも少量でもいいから貝類を忘れないことなど、細かいけど基本的な部分のフォローもありがたい。鶏すきには「少しだけもつを用意」!?今度やってみよ。でも鴨だんご鍋の鴨だんごはわざわざ揚げなくてもいいと思うなあ。

藤井ちゃんこ:5つの鍋の素で、毎日食べてもまた食べたい!(Gakken、1480円)

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ただいま『藤井弁当』が大ヒット中。『藤井ちゃんこ』もありますよミスター、ってことで読んでみました。

構成はシンプル。調味料を混ぜただけの5種類の鍋の素を常備しておき、あとは3品までの具材の組み合わせで無限のレシピを生み出そうというものです。鍋一品一品に名前はなく、たとえば「牛もも薄切り肉×きくらげ×チンゲン菜(塩鍋)」のようなネーミングをされています。分かりやすーい。

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これぞ索引、This is 一覧性!

なので、あえて同じ具材の組み合わせを2度登場させ(30ページと73ページ参照)、鍋の素を変えただけで全く違う料理扱いにしてしまうクソズルい鍋もあったりします。それが鍋の面白みだと著者。飽きることなく毎日鍋で生きていこうという、我々に近い企みが読みとれる一冊です。

別冊すてきな奥さん コウケンテツの鍋、汁もの、煮込み(主婦と生活社、1045円)

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本書は煮物やスープのウエイトが大きく、いわゆる鍋料理は数品程度です。著者は韓国料理が得意なだけあって、豚もつ鍋を白みそ、コチュジャン、キムチで仕上げるなど本格的。にんにく、ごま油、唐辛子、ねぎの登場回数が半端なく、意地でもあったまってやろうという気概すら感じます。

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カバーを取った背表紙に謎イラスト

随所で語られる、家庭料理の思い出話も沁みます。楽しかった鍋、美味しかった鍋のことってずっと覚えてるもんな。一家みんなで包んだという韓国の帽子型餃子「マンドゥ」の鍋がうまそうで、時間がある時はやってみたいです。

料理研究家編は以上。やはりズボラには手ごわい!しかしその丁寧さは本づくりにも現れていて、どれも1ページがゆったりしていてきれいです。食欲がないとき、本を眺めるだけでも効き目がありそう。